治験に参加する前に、治験とは一体どういうものなのかを理解しておこう!

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あなたは治験という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

何かの研究結果が発表される時には、様々な動物実験が行われ、その結果が公表されることもしばしばあります。

それと同じようなイメージで、治験は人体実験と思っている人もまだまだ少なくないように思います。

大きな意味では、もちろん人の身体にどう影響するかを見るための検査ではあるのですが…。

今回は治験とはどういうもので、実際どのように進められ、どういう経緯を経て結果に繋がり、最終的にどのようにして協力費として被験者に支払われていくのか、そのリスクや裏側も含めて僕が体験した時のお話しをしたいと思います。

自分が体験した話し。

そうなんです。ものは試しということで、実際に治験を体験してきましたのでその体験記としてお伝えしたいと思います。

今回ではまず、体験の前に最低限持っておきたい知識として、治験がどういうものかをご説明します。

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そもそも治験ってどういうもの?

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あなたが病院や薬局でもらう薬は、いくつもの研究を経て、しっかりと安全性が認められ、且つ効果も出るというデータが得られているものです。

薬が身体にいいものであるわけはありません。

しかし、こうした医学の発達のお陰で、昔では苦しんで死ぬのを見届けるしかなかった病気がいとも簡単に治ったり、苦しみから解放されたりという恩恵も計り知れなく受けています。

薬を飲んだところ半分は病気が治ったけど、もう半分の人は死んでしまう可能性がある、というような生死の確率50%!という薬ではいけないんです。

大衆にまんべんなく効く、という安定の安全性が1番大切なワケです。

一言「安全性」と言ってしまえば簡単ですが、その安全性を証明するためにどれぐらいで副作用が出てしまうか、どんな副作用が考えられるのか、ありとあらゆう可能性をデータ化し、それを基に厚生労働省に申請するというわけなんです。

そして、それが許可された後にやっと陽の目を見ることが出来、ついには世の中に出せる薬になるんですね。

前置きが長くなりましたが、言わば、厚生労働省に申請するために、データとなるものを得るための実験が「治験」なんです

治験自体は当たり前に行われるものにも関わらず、表立って言われることがないために、治験に対するリスクのことやあられもしない噂が良く聞かれます。

確かにそういう一面を考えないといけないことは事実ですが、この治験なくして薬の進歩はないというのも覚えておかなければならないことだと思います。

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ジェネリック医薬品が普及していくと、治験も頻繁に開催される

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治験と一言に言っても、その種類はたくさんです。

錠剤を飲むものから肌に塗布するものまで、色々な治験があります。

特に昨今ではジェネリック医薬品というものが普及してきています。

ジェネリック医薬品とは

後発医薬品(こうはついやくひん)、ジェネリック医薬品(英: Generic Drug、Generic Medicine)とは、医薬品の有効成分そのものに対する特許である物質特許が切れた医薬品を他の製薬会社が製造・供給する医薬品である。新薬と同じ主成分の薬とも言われる。

Wikipediaより引用

例えば、「A」という風邪薬がすごい効くということで売れていたとします。 薬の特許は基本的には申請してから20年と言われています。

20年してAの薬の特許が切れたので、とある製薬会社が同じ有効成分で「B」という風邪薬を作りました。

でもこれだけでは、「B」の風邪薬は世に出る薬にはならないんです。

ちゃんと「A」と同じような安全性や効果、申請に必要なデータが得られているという結果を取得して、その結果を厚生労働省に申請し、認められて初めて世に出せるようになるんです。

薬はもはや数えられないぐらいに存在してますし、これから特許が切れていく薬も無数にあるでしょう。

需要のある薬の特許が切れ、別の製薬会社がジェネリックとして新たに薬を出そうとするたびに、安全性が得られたという証明が必要になるんです。

薬を出すまでに様々な人の様々な結果を得ないといけないため、治験は幾度となく開催されるわけです。

治験の協力費が高額な理由

治験の噂って、ただ薬を試してゴロゴロしてるだけで、何万円も何十万円ももらえるというイメージがいまだにありますよね。

確かにこちらからは何もしていないのに、それだけの高額な報酬がもらえるというのには、いささか怪しいんじゃないか?という気持ちになるのもわかります。

では、なぜ高額報酬なのか? その理由は3つあります。

1.人をたくさん集めなければいけないから

世に出せる薬と認められるデータは、1人のデータを取得しただけでは認められません。

身長、体重のBMI値に始まり、血液検査、心電図、血圧とたくさんの検査をして、データを取る人を選別していきます。

これら全てが全く同じ数値の人というのはいませんよね。

このように多種多様な人から得たデータが、薬を発売するためには必要になるんです。

ボランティアで募ればいいという声も聞こえてきそうですが、それでは献血と同じような結果になりそうですよね。(なかなか集まりにくい)

このデータを集めて何がしたいかと言うと、最終的には製薬会社が薬を世に出して儲けたいということなんです。

そのために手っ取り早く人を集めるには、お金で人を呼ぶのが1番簡単だからです。

2.見返りがハンパないから

日本の医療産業の規模をご存知ですか?2013年度の国内医薬品生産金額は7兆円と言われています

日本は高齢社会ですから、これからもどんどんとおじいさん、おばあさんは増えていきます。

子供が顔を合わせる場所が学校ならば、年寄りが顔を合わせる場所は病院というほどに、みんな揃いも揃って病院に通っています。

だからというわけではありませんが、医療産業の市場規模は莫大なわけです。

例え開発研究費や臨床データを得るために、先行投資として何千万、何億、何十億円と使ったとしても 、薬を発売出来るようになれば、何百億、何千億という見返りが期待出来ちゃうんですよね。

発売にさえこぎ着ければほぼ勝ち戦が見えているので、高額報酬を支払ってでも人を集めデータを得たいということなんです。

3.リスクはゼロではないから

皆さんが一番気になることはこれでしょう。

治験ってまだ世に出ていない薬を試すんだろ? 副作用は大丈夫なのか? ということです。

結論を先に述べておくと、薬を飲むことによって起こりうる副作用が出てしまうリスクはゼロではありません

確率としては、説明を聞いた限りでは0.5%未満と言われています。(僕が受けた検査に限ってなので、他の検査ではわかりません)

1,000個のくじから5個のくじを引き当てる確率です。

これを高いと見るか低いと見るかは皆さんの判断になりますが、僕は「確率高いやん!」と思いました。笑

また、この副作用というのは、一般的な薬でも出るような副作用、「眠気やめまい、吐き気などの症状」のことも含まれています。

でも一つ考えてみて欲しいのですが、「バファリン 副作用」と検索してみてください。

あれだけ認知度も高い薬でも、ビックリするほどの副作用の可能性があると書かれたサイトがたくさん出てきたと思います。

というか、「眠気・めまい・吐き気」などの副作用は、ほぼどの薬にも出る恐れがあるんです。

それだけじゃなく、バファリンの恐ろしい副作用に「スティーブンス・ジョンソン症候群」というものが書かれています。

僕自身、周りではこの症状を発症した人を見たことはありませんが、既に世の中に出ている薬でも、常にこういった副作用の可能性があるということは理解しておかないといけません。

さらに、バファリンをサプリメントのように毎日飲む人はいないと思いますが、頭痛や生理痛といった鎮痛剤として常用している人はたくさんいるでしょう。

痛みが和らいでほしいから、「気持ち悪くなる」程度の副作用は我慢できるのかもしれません。

それが治験となると、健康な身体に薬を投入するわけなので、副作用が余計にクローズアップされているということが言えるかもしれませんね。

いずれにしろ、副作用という面では症状が出る可能性をはらんではいるので、なおさら報酬が高額である理由と言えるでしょう。

治験には数種類の試験がある!

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今回の記事は治験がどういうものかを説明する回なので、大まかに4種類だけ説明しておきたいと思います。

治験と一言に言っても数種類の試験があるんです。

第Ⅰ相試験(フェーズⅠ)

自由意思に基づき志願した健常成人を対象とし、被験薬を少量から段階的に増量し、被験薬の薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)や安全性(有害事象、副作用)について検討することを主な目的とした探索的試験である。動物実験の結果をうけてヒトに適用する最初のステップであり、安全性を検討する上で重要なプロセスである。

Wikipediaより引用

やっぱりWikipediaは言葉が難しいですね。

健康な成人を対象として、本当に効果があるか? 副作用が出るのかどうか? 安全に作用するのか?等を正確に把握するために行われる試験です。

探索的試験」と書かれているように、動物実験後の最初の実験となり、本当に人間でも問題ないかを見る段階の試験となります。

それでも安全性には十分配慮されていると言われてますが、もしかしたら想定外な事が起きるかもしれない、その可能性は一番高いと言える試験です。

想定外な出来事が起きることはない!」と言えるデータを取るための試験なので。

そういう意味では危険性が伴う可能性があるということで、協力費も一番高額になっています。

※僕はこのフェーズの試験の募集が出てくることを目にしたことはありません。

第Ⅱ相試験(フェーズⅡ)

第I相の結果をうけて、比較的軽度な少数例の患者を対象に、有効性・安全性・薬物動態などの検討を行う試験である。

Wikipediaより引用

比較的少数の人に対して、フェーズⅠで安全性が確認された用量の範囲で薬が投与されます。

さらなる有効性、 安全性を確かめるとともに、適切な用量がどれくらいかを確かめます。

第Ⅱ相試験では、次の試験となる第Ⅲ相試験を実施する際の用法・用量を決定しなければなりません。

その為、最初は少人数への低用量投与することから始めて、徐々に患者数を増やしたり、投与期間を長くしたり、投与量を増やしたりするといった試験です。

※僕はこのフェーズの試験の募集が出てくることも目にしたことはありません。

第Ⅲ相試験(フェーズⅢ)

上市後に実際にその化合物を使用するであろう患者を対象に、有効性の検証や安全性の検討を主な目的として、より大きな規模で行われるのが第III相である。

Wikipediaより引用

難しい言葉で言われてますが、フェーズⅢでは第Ⅱ相試験よりも詳細な情報を集めるため、さらに多くの人に試験を受けてもらいます。

そして、フェーズⅡで得られた安全性や有効性が多数の人にもあてはまるかの検証のほか、既に承認され使用されている他の薬とどこが異なっていて、どこが優れているかを検証するという場合もあります。

生物学的同等性試験

すでに世の中に出ている薬と製薬会社が発売しようとしている薬、その2つの効果が生物学的に同等であることを証明するために実施する試験です。

ようするに、先発品と後発品を別々に投与し、薬物動態(薬が体内に吸収されて、血液中に現れては消えていく推移のこと)を確認し、効果・有用性が同等であることを証明したいわけです。

この先発品と後発品の薬物動態のデータの差が20%以内であれば、薬の同等性は証明されたことになります。

治験を受ける方法

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治験の概要はお分かりいただいたと思います。

この知識を持って色々なサイトを見ると面白いですよ。

フェーズⅠの試験実績がどうとか、生物学的同等性試験実績が…etc 治験にまつわる色々な言葉が理解でき、安心感につながります。

では次に沸く質問は、どうすれば治験を受けられるのか?ということです。

近くの病院に行って勝手に「治験をしたい!」と言っても出来るわけではありませんし、案内してくれるわけでもありません。(治験を行っている医療機関への直接訪問であれば、申込みも可能ですが)

では答えはと言うと、「治験を紹介している会社に登録する」ことです。

治験を紹介している会社はたくさんあるのですが、どれを選べばいいかという一つに、臨試協(JACIC)といって臨床試験受託事業協会というものがあり、そこに加盟しているかしていないかは一つの指標に出来ると思います。

この協会の目的及び事業という項目で、

適正な臨床試験の実施とその啓発に努め、もって臨床試験受託事業の質向上をはかるとともに、臨床試験受託事業及び医療、薬業の健全な発展並びに創薬・育薬に寄与することを目的とする。

と書かれています。

加盟しているから問題ない、というわけじゃなく一つの指標に出来るということです。

臨試協に加盟している治験紹介会社はこちらです。

インクロム ボランティアセンター

インクロム株式会社が運営しているインクロム ボランティアセンターです。

大阪と東京に拠点があり、その2つのエリアに特化した治験情報が多いです。

V-NET

株式会社ヒューマンリンクという会社が運営している治験情報V-NETです。

主に、関東圏と大阪、たまに北陸などの治験情報もあります。

また、健康成人を対象にしたもののほか、疾患者を対象にした治験も豊富にあるので、実際に病気を持っている人も治験に参加できる場合があります。

ニューイング

特定非営利活動法人 ニューイングが運営しているニューイングです。

関東・関西のほか、北陸や福岡まで治験情報があります。

薬の治験から健康食品のモニターまで幅広く取り扱われてますね。

臨試協に加盟していない紹介会社でも加盟している病院を紹介されることもある!

上記でご紹介した3社は臨試協に加盟していると言いましたが、その他にも治験を紹介している会社はたくさんあります。

そこが臨試協に加盟していないから絶対ダメというわけではありません。

紹介会社は加盟していなくても、治験を受ける病院は加盟している病院を紹介される場合もありますので。

紹介会社から臨試協に加盟していれば、設備を含め安心して受けられるということに違いはありませんが、自己判断で登録するところは決めればいいと思います。

治験とは一体どういうものなのか / まとめ

まず治験体験の最初のレポートは、治験とはどういうものかについて説明しました。

この記事を書くにあたって、自分でも色々調べてみましたが、そこまで心配するものじゃないという判断が出来たし、しっかり安全を確保した上での検査になっていると言えます。

最終的に判断するのはもちろん自分次第ですが、副作用の可能性がリスクと言うのであれば、その裏側にある見返りが「高額バイト」という概念だけでは残念なぐらいにメリットもあると思います。

病院にいる間に時間が作れてしたいことも出来たりしますからね。

次回は、実際に登録後から初回の検診でどういうことをするのかをお話ししていきたいと思います。

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