新生児のビタミンK欠乏を予防する薬「K2(ケイツー)シロップ」は飲ませた方が良いのか?についてのあらゆる情報まとめ

どうもNon太(@LoveWifeLives)です。

最近、いや数ヶ月前ぐらいにK2(ケイツー)シロップというものを知りました。

赤ちゃんが産まれたばかりの頃はビタミンKが不足しがちになり、通称HDNと言われる「新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症」になる恐れが高いらしく、それを予防するためにK2シロップを投与するのが望ましいと言われています。

 

果たして生まれた瞬間から飲ませる必要って本当にあるのか?と、まぁ疑問には思いました。

と言ってネットの情報を探しても、大体どこかで書かれた情報を二次情報としてアップしていたり(それがほとんど)、誰が言ったかは分からないけどダメだ!と言っているものが多かったり…

ネットの一辺倒な情報だけでは全く解決しませんでした。

 

なので、僕的には飲ませたくない(と思っている)けど、「実は知らないホントのところ」があってはいけないと思いたち、調べに調べることにしました。

すると、過去に医療機関が研究した結果が記されたデータがあったり、色んな情報を見つけることが出来ました。

とは言え、この記事では「K2シロップは飲むべき!」だとか、「飲ませたらダメ!」みたいな一辺倒な意見を言うつもりはありません。

なぜなら、医療にはインフォームド・コンセント「正しい情報を得た(伝えられた)上での合意」があるからです。

 

この記事を作った目的は、

  • あくまで客観的に
  • 出どころの分からない誰が言ったかもわからない情報を偏った意見で言うのではなく
  • こんな研究結果が出ている、こんな歴史があった

という事実に基づいた情報を伝えることであり、なお且つ情報を探していた自分自身でもちゃんとまとめておきたいと思ったからです。

K2シロップに対して色々情報を探している人、ホントのところはどうなのか?を探している人には、少しは参考にしてもらえることがまとめられているかもしれません。

かなりの長文になりますので、時間がある時に読んでもらえれば幸いです。

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はじめに

僕は医者でも病院関係者でもありません。

なので、掲載している情報の真偽を聞かれても、「〇〇病院の〇〇さんが言っていた」とか、「〇〇という公式の発表に掲載されているから」としか言えません。

全てここで掲載した引用文にはその情報元のリンクを貼っておりますので、そちらを確認するなどしてご自身で判断してください。

また、随所に個人的見解も多く含まれておりますが、引用文とは分けて記載し、公式で発表されているものと個人的見解が区別できるように努めています。

あくまで自分が調べた情報をまとめることを第一目的としており、他にK2シロップの情報を求めている人が色んなリンク元の情報を頼りに、情報の整理や把握がしやすいようにまとめたものであります。

くれぐれも僕自身が研究した情報ではありませんし、効果効能を保証するものでもありませんので、その点をご理解の上読み進めてください。

僕の個人的な考えも併せて

人間にとって問題ないもの、少しぐらいは体が消化してくれて大丈夫なもの、ホントは体を蝕んでいるもの、世の中には色々あると思います。

そして体の細胞が全て機能している大人と、生まれたばかりの赤ちゃんが同機能を果たせないのは、誰が聞いても分かることです。

僕は過去に色々と調べた結果から、インフルエンザなどの予防注射は一切しないことにしています。

過去に、勤務先の会社で予防注射をした僕以外の社員が次々とインフルにかかっていくのを横目に、僕は一人かかりませんでした。

妻が風邪をひいたからと1日看病をし、翌日もしんどかったようで病院に行くとインフルと診断されてましたが、同じ部屋・同じベッドで寝ていたにも関わらず僕はかかりませんでした。

 

ここで、自分の体が丈夫に出来ているとかを言いたいのではなく、「意味ないものは意味ない」と自分なりに感じているということです。

かかる時は何をやってもかかるでしょうし、掛からない時は全然かからないですから。

 

その考えがある上でのK2シロップです。

基本的に飲ませる必要のないもの」と考えています。

 

もう一つこんな理由もあります。

知人の赤ちゃんが生まれてまだ数ヶ月しか経っていない頃、ものすごく顔が腫れて肌もガサガサになっている子がいました。

病院で診断してもらうも「何かのアレルギーかもね」と言われるだけで原因は不明、診察結果にも何も原因が見当たらなかったんだとか。

その夫婦からは、「とにかく飲み薬を飲ませたら吐くんですよ…」と言っているのを聞いていました。この時はそれがK2シロップとは知らずに聞いていましたが。

 

そんな時にある人から(医者ではないらしい)「K2シロップを辞めてみたら?」と言われたそうです。(その夫婦は医者に言われて、K2シロップを週に1回飲ませることを続けていました)

すると、みるみる内に顔の腫れは治まり肌のガサガサもなくなり、元気な赤ちゃんに戻ったと言っていました。

僕は顔が腫れて肌がガサガサになってしまっている時は見ましたが、それから会っていないので治った話は後から聞いただけです。

もちろんこの赤ちゃんの例は、K2シロップに原因があるかどうかの真偽は明確に分かっていませんが、K2シロップをやめたら治ったというだけのものです。

ただ、そういった事実を目の当たりにしたこともあるので、少し二の足を踏んでいるのもあるということは先にお伝えしておきます。

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K2シロップについての情報

まずはK2シロップの情報をまとめておきたいと思います。

ここでは専門用語がたくさん出てくるので、その辺りも都度解説を加えながら進めていきます。

1.K2シロップの概要

まずK2シロップとはどういうものか。

どんな会社が販売しどのような効果・効能がうたわれているのか等。

販売元・販売時期について

K2シロップの製造販売元は「サンノーバ株式会社」で販売元は「エーザイ株式会社」となっています。

エーザイ株式会社の子会社がサンノーバ株式会社です。

K2シロップの販売開始年月日は1984年11月。今からもう30年以上前です。

販売されていた当初は「50ml瓶包装」となっていましたが、2011年2月7日より「一包化」されたK2シロップが新発売となりました。

以後、一包化されたK2シロップが現在投与されているものになります。

 

組成

K2シロップ内に入っているものについて、引用して掲載します。

本剤は、1 mL中にメナテトレノン 2 mgを含有する黄色澄明のシロップ剤である。

添加物として、安息香酸ナトリウムクエン酸水和物ゴマ油水酸化ナトリウムソルビタン脂肪酸エステルD-ソルビトール液パラオキシ安息香酸エチルプロピレングリコールポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60香料を含有する。

参考ソース⇒http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00052439.pdf

ここで大量の添加物が…みたいな話は長くなるので、もし気になる方はご自身でご確認下さい。

添加物の意見は世の中にありすぎるので、ここで取り上げることはやめておきます。

【参考になる?リンク】

https://www.forth.go.jp/keneki/otaru/tenkabutsu.pdf

▲この辺りから、色々と確認できると思います。

 

記載されている効能・効果

  1. 新生児出血症及び新生児低プロトロンビン血症の治療
  2. 新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対する予防

 

  1. 参考ソース⇒http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00052439.pdf
  2. 参考ソース⇒http://www.eisai.co.jp/news/news201229.html

▲エーザイのニュースリリースにも、「効能・効果の追加認証を取得した」と掲載されています。

詳しい効果・効能は別にして、「新生児出血症及び新生児低プロトロンビン血症の治療」と「新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対する予防」と、治療にも予防にも効果が期待出来るものと書かれているわけです。

これが2012年5月25日の出来事なので、一包化されてから1年ちょっとが経過してからの取得になっています。

このニュースリリースを読むと、

日本においては、旧厚生省(現厚生労働省)研究班及び日本小児科学会のガイドラインでビタミンK2シロップの新生児への予防投与が推奨され、出生児のほとんどが予防投与を受けているのが実態ですが、新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対する予防を効能・効果とする薬剤はこれまで存在していませんでした。

とのこと。

K2シロップ販売からは25年以上経過してからの取得となっているようですが…臨床データはあるけど承認は受けられてなかったってことなんでしょうか。

それでも薬の販売は出来るんですね。

2011年11月30日に公知申請し、ほぼ半年で追加認証を受けられたということですね。

公知申請(こうちしんせい)とは…

承認事項一部変更承認申請の一形態であり、日本における医薬品について、外国での承認・使用実績および根拠となる資料が入手できる際に、科学的根拠に基づいて公知であると認められ、臨床試験の全部または一部を新たに実施することなく効能または効果等の承認が可能となる制度のこと。

Wikipediaより引用

 

用法・用量 / その他の注意

用法・用量

新生児・乳児ビタミン K 欠乏性出血症の予防として、

通常、出生後、哺乳が確立したことを確かめてから、1回1 ml(メナテトレノンとして 2mg)を経口投与する。

その後、2回目として生後1週間又は産科退院時のいずれか早い時期、3回目として生後1ヶ月時にそれぞれ1回1mLを経口投与する。

 

その他の注意

新生児・乳児ビタミン K 欠乏性出血症の予防投与においては国内のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。

参考ソース⇒http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00052439.pdf

▲現在は出生後1ヶ月までに3回投与する方法が主流となっているようです。

産まれてすぐの24時間以内、次に退院時の1週間前後の時期、そして生後1ヶ月の計3回。

2010年8月にはガイドライン改定!ということで、生後3ヶ月までは毎週K2シロップを投与するとしていた時期もありました。

が、そのガイドラインが出た時はまだK2シロップの個別包装がされておらず、ビンでしか販売していなかった頃。

ビンでは自宅に持ち帰ることが出来なかったようで、毎週投与するためにお母さんが一緒に通院しないといけないということで、負担が増大すると現場は大混乱。

その流れを受けて、半年後にエーザイは一包化された個別包装のK2シロップを発売した、という流れになっています。(個別包装なら家に持ち帰ることが出来るからってことらしい)

 

K2シロップ概要まとめ

長くなったことをざっくりまとめると、以下です。

  • 1984年11月から販売されている薬、その時はビン包装だった。
  • 2011年2月に一包化されて販売が開始された。
  • 2012年5月には「新生児出血症及び新生児低プロトロンビン血症の治療や新生児・乳児ビタミン K 欠乏性出血症の予防の効果がある」と記載して良いと国に認証された。
  • そのため、効果・効能に新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対する予防が出来る治療にも効果があると書かれている。
  • 生後当日・1週間前後・1ヶ月後の計3回の経口投与することがガイドラインで規定されている。

といった感じです。

K2シロップを飲む必要があると言われるまでの歴史

では次に、なぜ生まれたばかりの新生児から「K2シロップを飲む必要がある」と言われているのか?

そこには何かしらの原因や理由があるはずです。

一般的には、「新生児・乳児はビタミンKが欠乏するために、新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症が引き起こされることが多い⇒だからそれを回避するためにK2シロップを生まれてすぐに投与する必要がある」と言われています。

とは言っても、そう言われる明確な根拠がどこにあるのかを調べたくなったので、付随する過去の歴史をさかのぼってみました。

 

新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症という疾患の発見

新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症は、1966年、Goldman(ゴールドマン)という方が報告したのが世界で最初と言われ、日本でも1975年に8例を報告したのが最初とのこと。

それ以降症例報告が相次いだことから、新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症が少ない疾患ではないと認識され始めました。

これが一番最初の始まりです。 

 

新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症について

では、新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症とは何か?というと、

体内のビタミンKが不足することが原因で起こる出血のことで、それが新生児や乳児に発症した場合にこのように呼ばれるわけです。

国際的には3種類(出生後24時間24時間~生後7日後まで・生後2週目~6ヶ月まで)に分類されてますが(Wikipedia調べ)、日本では2種類(出生後~7日目まで・それ以降)に大別されています。

(母子健康法では、出生から28日未満を新生児と呼んでいますが)先程挙げた出生後~7日目まで(新生児)の間に消化管から出血が起こると新生児メレナと言われます。(Wikipediaより)

新生児メレナの原因は、ビタミンKが欠乏しているからと良く言われています。

なので、その場合にはビタミンKを静注(静脈注射)することで症状が緩和されることが多いと、色々なところで書かれていました。

 

次に、7日目を超えてからの乳児期にも出血が見られる事があります。この時は「乳児ビタミンK欠乏性出血症」と呼ぶわけです。

この原因には、

  • ビタミンKが欠乏している
  • 母乳育児をしているから(詳しくはまた後述)
  • 胆汁分泌障害
  • 遷延の下痢(期間が長い下痢)
  • 抗生剤を投与している

などが原因にあげられたりします。

 

また、乳児期に出血が起こった場合の80%に頭蓋内出血を伴うと言われています。

 

ここで注意しないといけないポイントがありますが、

「乳児ビタミンK欠乏性出血症」と「頭蓋内出血」はイコールではない

ことです。

新生児メレナでは、出血はあっても頭蓋内出血を起こすことはまれで、乳児、さらには1ヶ月前後の乳児が出血した際に、頭蓋内出血を起こすことが多いことから、イコールで結び付けられることが多いですが違います。

 

ちなみに、新生児ビタミンK欠乏性出血症(新生児メレナ)の発症率は出生数に対しておよそ0.3%で、1,000人に対して3人ほどの割合と書かれていました。

 

さらに乳児ビタミンK欠乏性出血症の発症率は0.06%ほどで、1.700人~2,000人に1人の割合の発症と記載があります。

 

最終的にこの話から勘違いしやすいのは、「ビタミンKが不足するから出血する」と思ってしまうことです。

厚生労働省のこの記事⇒http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4l.pdfにも、

人でビタミンKの欠乏症が明確に認められるのは血液凝固の遅延のみである。

と書かれています。

そうするならば、「ビタミンKが不足した状態で出血した場合に、血液凝固作用が働きにくい(血が止まりにくい)」と考えるのが妥当ですよね。

出血した時に血が止まりにくい、そして新生児や乳児がビタミンKが不足しやすい」と研究が進んでいるなら、「どうして出血してしまうのか?」、「そもそもの根本である出血しないようにするためには?」の疑問究明に焦点を絞るべきなのでは?と、客観的にみてもそう思ってしまいます。(←色々調べてみたけど、実は現在でも原因不明とされています)

 

ビタミンKについて

では、次に不足しやすいと言われているビタミンKについても見てみます。

1929年、デンマーク人のカール・ピーター・ヘンリク・ダムはコレステロールの研究のためニワトリにコレステロール除去食を与える実験を行った。

ニワトリは数週間のうちに出血し始めたが、コレステロール除去食に純粋なコレステロールを加えてもこの現象を止めることができなかった。

つまりコレステロール以外の何かが一緒に除去されていることになり、それを凝血ビタミン(Koagulationsvitamin)と呼ぶことにした。

これがビタミンKの発見である

(途中省略)

ビタミンKの正確な機能が判明したのは1974年になってからである。

Wikipediaより引用

というように、ビタミンKが発見されてから約50年近い期間を経て、ビタミンKの有用性の一つである、出血を止める(ほかにもあるけど)ことが出来る栄養素であると発見されています。

そしてビタミンKが生成される方法は2つ。

  • 食物から取る
  • 自分の腸内細菌で産生する

なんだとか。

 

なぜ新生児・乳児にはビタミンKが少ないのか?

では、どうして新生児や乳児にはビタミンKが少ないと言われているのか。

日本小児科学会新生児委員会ビタミンK投与法の見直し小委員会」が発表しているガイドラインから引用して、まとめていきます。

 

合併症をもたない新生児と幼若乳児がビタミンK欠乏に陥りやすい理由は、十分に解明されているとはいい難いが、複数の要因が症例ごとに様々な程度に関与して発症に至ると考えられる。

新生児では、

  1. ビタミンKは経胎盤移行性が悪く、出生時の備蓄が少ない。
  2. 腸内細菌叢が形成されていない。
  3. 母乳中のビタミンK含量は少なく、しかも個人差が大きい。
  4. 母親の泌乳量、新生児の哺乳量は個人差が大きい。
  5. ビタミンKの吸収能が低い。
  6. ビタミンKエポキシド還元酵素活性が低い。
  7. ビタミンK依存性凝固因子の血中濃度が生理的に低い。

などの理由があげられる。

早産児の場合は、在胎期間が短いほどこれらの要因がさらに大きな影響を及ぼす。

 

一方幼若乳児では、

  1. ビタミンKエポキシド還元酵素活性が低い。
  2. 主力腸内細菌のひとつであるBifidobacteriumはビタミンKを産生しない。
  3. 一部の母親の乳汁中のビタミンK含量は極めて少ない。
  4. 哺乳量が少ない乳児がいる。
  5. 明らかな肝・胆道系の異常がないのにビタミンKの吸収が悪い乳児がいる。

などの要因の関与が考えられる。

乳児肝炎や胆道閉鎖など、胆汁分泌を低下させる疾患や、遷延性下痢などの病態がこれに加わると、さらにビタミンKの欠乏が助長される。

と書かれています。

先程にビタミンKが生成される方法は2つで、食物からか腸内細菌で産生するかと書きましたが、赤ちゃんの場合はそれが出来ないからというのが要約です。

でも、あまりにもさっくり要約しすぎたので、もうちょっと(かなりの量ですが)詳しく書きます。

 

ビタミンKは経胎盤移行性が悪く、出生時の備蓄が少ない

赤ちゃんがおなかにいる時は、その母親が栄養供給源です。

そしてその栄養供給は赤ちゃんと繋がっている胎盤を通して行われます。

でも、ビタミンKはその胎盤を通過しにくいんだとか。

そのように、厚生労働省のページに記載されています

 

腸内細菌叢(そう)が形成されていない

ヒトは母体の胎内にあるときは無菌の環境で育つ。

新生児として生まれると間もなく、皮膚や気道、消化管などの粘膜で細菌が増殖しはじめる。

出生後はじめて排泄される胎便は通常無菌である…

参考ソース⇒http://www.daiwa-pharm.com/info/mitsuoka/6271/

というように、生まれたばかりの赤ちゃんの腸内は無菌と言われています。

食物から以外でビタミンKを体内に作るためには、腸内細菌から作るしかないわけですが、その腸内細菌が形成されていないためにビタミンKを産生出来ないというわけです。

 

母乳中のビタミンK含量は少なく、しかも個人差が大きい

体内で作り出せないということは、外から取り込むしかないわけです。

赤ちゃんの食事と言えば母乳ですね。

でも、よく目にするのが母乳にはビタミンKの含量が少ないという話です。

母乳と人工ミルクのビタミンK含量のデータは、1942年は1:4の割合と言われてました。

その後1696年にGoldman氏が発表したのも1:4の割合だったため、ずっとその割合が定説になっていました。

それから1984年頃、高速液体クロマトグラフィー法という測定法が出来、容易に数値を測定できるようになったところで再測定すると、母乳:人工乳のビタミンK含量の割合は1:1.5からせいぜい1:2の差しかないことが判明しました。

というデータがあるものの、人工ミルクよりは少ない含量ではあるため、これが原因の1つとして「母乳育児をしている赤ちゃんに、新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症が多い」と言われているということです。

 

母親の泌乳量、新生児の哺乳量は個人差が大きい

新生児・乳児にビタミンKが不足している原因の一つに、「そもそも母親の母乳の出が悪ければ赤ちゃんが摂取出来るミルクの量が少ない、また赤ちゃん自身が母乳を飲む量が絶対的に少なければ、ビタミンKも少ないんじゃないか?」と過去に仮説が立てられたことが、この話に起因していると考えられます。

上記リンクの研究結果からは、母乳内のビタミンK含量が異常に低値である母親もいるため、哺乳量のみでは論ずることは出来ないと述べた上での考察を出しています。

要するに、母乳が異常に低値の母親にメチャクチャミルクを飲む赤ちゃんだったとしても正確な結果は出ないということです。

 

細かな数値の結果は、上記リンクで確認してください。

結論としては、

  • 新生児出血症の予防に対して、ビタミンK予防投与の際、生後の哺乳状態が考慮されねばならない。
  • つまり、生後早期より十分な乳汁が与えられる時、人工、混合栄養児に対して、ビタミンKルーチンの予防投薬の必要性は少ない
  • 一方、母乳栄養児では、一般に十分な母乳の分泌が確立されるまでには通常、分娩後数日を要する場合が多く、また栄養法(母乳か人工ミルクか)を問わず、摂取哺乳量の少ない児へのビタミンK予防投薬はもちろん必要であるが、一般に生後早期に授乳量が不足しやすい母乳栄養児に対してはビタミンKのルーチン予防投薬が必要であると思われる。

ここでは

  • しっかりミルクを飲めていて、母乳じゃなく人口ミルクだけ、もしくは母乳と人口ミルクの混合の場合、ビタミンKの予防投薬の必要性は少ない
  • 一方、すぐに母乳が出ない人もいるし、その場合は新生児への授乳量が減る。もしそうなるとあまり良くないから、母乳だけで育てる場合はビタミンK欠如を回避する予防が必要

と結論付けています。

 

主力腸内細菌のひとつであるBifidobacteriumはビタミンKを産生しない

Bifidobacteriumとは言わばビフィズス菌のことだそうです。(明確にはBifidobacterium属に属する菌がビフィズス菌らしいです)

ヒト由来Bifidobacteriumによるビタミン産生」の研究結果によると、

ビタミンEおよびKの産生能ビタミンE(α-,β-,γ-,δ-トコフェロール)とK(K1, K2)に関しては、培地、培養上清液および菌体のすべての材料において検出されず、いずれの菌株も産生能のないことが認められた。

BifidobacteriumにビタミンKの産生能があるとしてもきわめて低いと考えられる。

と書かれており、腸内のBifidobacteriumはビタミンKを産生しないということです。

 

ここで出てくるのが、先程の母乳の話。

母乳はもともとビタミンK含量が少ないと言われています。

産まれたばかりの新生児の腸内は無菌と言われてますが、その後母乳で育てられる赤ちゃんの腸内は、ビフィズス菌で90%以上が占められるんだとか。

一方、人工ミルクなどで育てられると、ビフィズス菌の数は母乳より少なく、その他の菌が混じるようになるんだとか。

ちなみに、ビフィズス菌が腸内にいることで、腸内疾患を起こしにくくしてくれる役割があります。

ということは、

  • 母乳の場合、腸内疾患から守ってくれるビフィズス菌は多いけど、ビタミンKの産生が少ない。
  • 人工ミルクの場合、腸内疾患から守ってくれるビフィズス菌は母乳より少ないけど、ビタミンKの産生は母乳より多い。

という話になりますね。

なんや、この矛盾した議論は…。

 

なぜ新生児・乳児にはビタミンKが少ないのか?の理由をまとめると

  • 胎内にいる時に母親から胎盤を通してのビタミンKの供給がなかなかされないから
  • 産まれたばかりで腸内が無菌状態のため、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)でビタミンKの合成が自分で出来ない
  • 母乳で育てた場合、母乳内にそもそものビタミンKの含量が少ない
  • 新生児・乳児が飲む量が少なければ、必然的に摂取できる栄養素が少ない
  • 腸内に菌が入ってきても、新生児の頃に満たされやすいBifidobacteriumでは、ビタミンKの産生が行われない

以上の理由から、新生児・乳児にはビタミンKが欠乏しやすいと言われていることが分かりました。

 

この結果から、K2シロップは飲むことが有用であると結論付いている

K2シロップを飲むことを推奨してくるまでの流れをざっくり追ってみました。

確かに上記理由だけを見ていくと、このシロップでビタミンKを完補できるのであれば、さらには副作用の心配もなく問題ないのであれば飲むべきと言えますよね。

(僕の知人が経験した原因不明の症状は置いておいて)

先程も述べましたが、これだけ色々と言われていて、なぜビタミンKが不足することばかりの話しが進み、出血する原因を突き止める方に向かないのかが分かりません。

調べていても、その研究が出てこない…。

 

だからかもしれませんが、ビタミンKは不足しない方が良いのは過去の文献や研究から理解出来るにも関わらず、どうして「K2シロップは飲むべきじゃない論」がこうもたくさん出てきているのか?という点も不思議でした。

なので、こちらも過去の実験や研究結果を追うことにしました。

新生児・乳児ビタミンK欠乏症出血症における様々な研究結果と考察

現在からは約30年前にK2シロップが発売され、その間に色んな研究が行われてきています。

そしてその有用性が確立されたとしている向きもありますが、少し数字が変なのがあるのも事実でした。

ここでは、過去に新生児・乳児ビタミンK欠乏症出血症において行われた研究結果について考察していきます。

ただ、ほとんどの研究や考察が新生児ではなく乳児ビタミンK欠乏症出血症における話だったので、以下もほとんどがその結果を記載するに至っています。

【乳児ビタミンK欠乏性出血症における胆汁酸代謝および生理的胆汁うっ滞との関連について】の結果と考察

参考ソース⇒http://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1986/s6102011.pdf

ここでは簡単にしか触れませんが、ビタミンKが吸収されるためには、胆汁と混ざりあうことが吸収率を上げるために不可欠なんだそうです。

乳児ビタミンK欠乏症出血症にかかる乳児の胆汁には、何かうまくいっていないことがあるんじゃないか?という視点です。

また、この症状が出る大半が生後1ヶ月前後に集中しているという観点から、胆汁酸が関係しているのではないか?というもの。

どう書かれているかを要約しておくと、

本症の発症要因が母乳中のビタミンK含有量のみであるとするならば、母乳中のビタミンK値は生後1ヶ月が最低値をとるか、もしくはいわゆるビタミンKのリサイクルがこの時期に欠乏状態になる必要があると考えられるが、現在までこういう事実の報告はない。

本症の発生が1ヶ月前後に集中しているのは、この時期に胆汁酸排泄が最低になる、すなわち、ビタミンKの吸収が最低になるためではないか

と、まとめられています。

現在は、ビタミンKの吸収には胆汁が必要不可欠であることは分かっているようですが、なぜ生後1〜2ヶ月の乳児に多発するのかいまだ明らかにはなっていないようです。

急速な脳の発育、脳血管の未熟性、血管壁の脆弱性、 強い暗泣による脳圧充進の関与などが想定されているみたいですが。

 

【新生児出血症の実態とその予防】の結果と考察

参考ソース⇒http://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1986/s6102012.pdf

続いてこちらは、新生児メレナにおける調査結果。

新生児に対してVK1顆粒をルーチンに与えてみたところ、従来のメレナの頻度0.43%から、0.15%とほぼ1/3に減少した。

また、新生児に対してVK2シロップを与えたところ、メレナの頻度は従来の0.26%から、0.12%と半減した。

両者ともゼロには出来なかった。

という結果になっています。

上記数字をあてはめてみると、1,000人いたら4.3人が1.5人に、2.6人が1.2人にそれぞれ減少したという結果ってことですね。

 

この検証で、他にも興味深い結果が載っていました。

HPT値は母児間に相関性があり、母体HPT値が高ければ新生児HPTも同様に高い値を示すことが明らかになっている

とのこと。

HPTとは…

ヘパプラスチンテストと呼ばれ、肝臓でつくられるビタミンK依存性の凝固因子(第II・VII・X因子)に異常がないかを測定する検査のこと。

メチャクチャ簡単に言うと、この数値が高ければ出血した時に血が固まりやすく、HPT値が低いということは、それだけ血液凝固の働きが弱いということ。

もともとの母親の血液凝固機能が高い数値を持っていれば、その数値は子供に引き継がれやすいってことですね。

 

さらにこうも書かれています。

母体の納豆摂取によって、新生児のPIVKAⅡが減少する。

ビタミンKは食物からも摂取が可能ですが、納豆にはかなり豊富にビタミンKが含まれていると明らかにされています。

また新しい用語が出てきましたが、言葉の意味としては以下の感じ。

PIVKAⅡとは…

血を止めるための因子の一つにプロトロンビンと呼ばれる物質があり、プロトロンビンのままで血を止める役割になるわけじゃなく、ビタミンKが作用することで活性化して性質を変化させ、血を止める役割を担っていくわけです。

ビタミンKが欠乏していると活性化しないため、プロトロンビンはPIVKAⅡと呼ばれる物質になります。

血の中にもともとあるプロトロンビンという物質が、ビタミンKと合体することで血を止めるパワーを持つわけですが、合体しなかった(できなかった)プロトロンビンはPIVKAⅡという物質になるということ。

ということは、PIVKAⅡの数値が高いことはプロトロンビンが合体できていないという事なので、イコール出血を抑える力が弱いということです。

上記の結果を見ると、納豆(ビタミンKが豊富)を食べている母体から生まれてきた新生児のPIVKAⅡの数値が抑えられていると述べられているわけです。

そして、

分娩前から母児のビタミンK不足状態を改善しておくことが望ましい。

自然さ、という点から考えると、ビタミンKを多く含有する食事を摂取するように指導するのが良い。

と書かれています。

まぁ、そりゃ自然が一番良いですよね。

 

すると次に出てくる疑問・改善は「分娩前にビタミンKを母体に投与して、新生児にもビタミンKをいきわたらせることが出来るか?」っていう検証です。

検証結果が長いので結果だけ箇条書きします。

  • 分娩一週間前に投与したり、分娩開始で入院してきた時にビタミンKを内服させたりとやってきたが、分娩までの所要時間がまちまちのため目に見える効果は微妙。
  • ただ、分娩3時間以上前にビタミンKを母体に投与しておけば、ある程度は効果があると考えられる。
  • でも、いずれ内服したビタミンKは母乳へ移行するはずなので、少ないと言われる母乳のビタミンK値があがり、母乳児のビタミンK欠乏性出血症の防止には有効になるものと考えられる。

というまとめになっていました。

 

【新生児に対するビタミンK2シロップ経口投与の効果に関する臨床的検討】の結果と考察

参考ソース⇒http://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1986/s6102013.pdf

この検証は、新生児にビタミンK2シロップを経口投与し、その効果と副作用を調査する目的のものとされています。

調査に協力したのは6施設で、ビタミンK2を投与する間隔は、

  • 生後まもなく(15~28時間)
  • 退院時(生後5~6日)
  • 生後1ヶ月検診時

の3回で行われました。

13,032例中、3回投与出来た例数が11.909例。3回投与不能例(0回or1回or2回だけ投与も含む)が1,123例となっています。

結果、ビタミンK欠乏による出血、新生児出血性疾患(新生児メレナ)の疑いが5例乳児ビタミンK欠乏性出血症は発症せず、という結果。

▼表としてはこうなります。

  症例数
投与対象数 13,032
3回投与数 11,909
3回投与不能数 1,123
ビタミンK欠乏による出血、新生児出血性疾患(新生児メレナ)の疑い 5
乳児ビタミンK欠乏性出血症 0

発症したのは、出生数13,032人に対して5人と、0.04%の割合ということです。

上記結果と比較して、ビタミンKを投与していなかった時代の新生児メレナの発生状況の表がありました。

昭和50年代の記録のようですが、新生児メレナ(と思われる症例)が10例で、0.13%という結果になっていると述べられています。

出生数7,552人に対して10人なので、割合としては0.13%という数値です。

さらにもう一つ、昭和48年~60年までの都立築地産院の新生児メレナの発生頻度の表がありました。

少し見にくいですが、2500g以上で生まれてきた新生児の場合、昭和50年に1人、昭和56年に1人となっています。

2,500g以下で生まれてきたケースには発生頻度が上がっており、昭和50年は1,544人の出生数に対して8人が新生児メレナを発症したと記載されています。

2,500gを起点にしてこれだけ数値が変わっているのであれば、新生児メレナにおける原因がビタミンKの欠乏だけじゃなく、体重が少ない新生児(何かしらの発育不全の恐れなどがある新生児や乳児)の体内の何か、とも起因しているのではないか?と考えるのが一般論じゃないのかなとは思いますね。

ちなみに、昭和59年からK2シロップの経口投与が始まっています。

とは言え、未熟児や周期よりも早く産まれた場合などは、ビタミンKの不足が顕著になりやすいケースもあるとのことなので、そういう点で補う必要があると考えるのであれば、ビタミンKの投与を考慮しても良いかもしれません。

 

【乳児VK欠乏性出血症の体重増加についての考察】の結果と考察

参考ソース⇒http://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1986/s6102016.pdf

乳児ビタミンK欠乏性出血症が母乳栄養児に多いことから、「母乳の摂取不足がビタミンKの欠乏につながるのではないか?」と考えた検証。

本症の原因に母乳の摂取不足は少なくとも主因ではないと考えられた。と結論付けられて終わっていました。

 

【我が国における乳児の脳血管疾患による死亡の地域別年次推移に関する分析】の結果と考察

参考ソース⇒http://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1986/s6102018.pdf

乳児ビタミン K 欠乏性出血症の中で、最も重篤な状態である頭蓋内出血による死亡が実際にどの程度起こっているのか?を調べた内容。

人口動態統計からビタミンK欠乏性出血症による頭蓋内出血死亡という綱目は抜き出すことが出来ない

とのこと。

数値を明確に出していないということは、全ての症例と照らし合わせると数は少ないんでしょう。

結論としては、ビタミンKを投与したことで、果たしてビタミンK欠乏性出血症の予防ないしはスクリーニングの寄与によるものかどうかは何とも言えないと考える。となっていました。

予防になってるかわからないとのこと。

 

【ビタミンK予防的投与とヘパプラスチンテストによるスクリーニング法の1ヶ月時のヘパプラスチン値に及ぼす影響の差異】の結果と考察

参考ソース⇒http://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1986/s6102019.pdf

この調査は、新生児に飲ませるVK2シロップを、

  • 予防的に生まれてすぐ5日目26日以降の3回予防的に投与した新生児たち(予防的投与群)
  • HPT値を検査しスクリーニング(選別)し、値が低い新生児には治療的にVKを投与(治療的投与群)、値が低くない場合は投与を行わないという新生児たち(投与不要群)

に分類し、1ヶ月後のHPT値がどうなっているかを調べる調査。(HPT値は高い方が血液凝固には作用します)

合計で50,127例ある内、

  • 予防的投与を行ったのが5,389例
  • スクリーニング後、投与不要群42,427例
  • 治療的投与が必要だったのが2,311例

という人数に分けられました。

結果、出生から1ヶ月後のHPT値が40%未満の例は以下。

  • 予防的投与群(5,389例中)は10例で2.01%
  • 投与不要群(42,427例中)は195例で0.46%
  • 治療的投与群(2,311例中)は53例で2.29%

この結果だけを見て言えるのは、ビタミンKを投与していない群が一番割合が少なかったこと。

じゃあ「やっぱりK2シロップを飲ませても、飲ませなくても一緒じゃないか?」と言いたくなりますが、この結果だけだとそう考えるのはちょっと待ってってなります。

「ビタミンKが不足したら出血する」わけではないのと同じように、「HPT値が低いから出血する」わけではないからです。

 

また、投与不要群はもともとのHPT値が高かったわけなので、そのまま高い数値を維持しただけかもしれません

逆に治療的投与群は、もともとのHPT値が低かったので、低いままの数値を維持したのかもしれません。

そして予防的投与群は、そもそもHPT値を計測していない状態なので、もともとのHPT値が高い子も低い子も混じっている状態での検査になっています。

本来であれば、予防的投与群にも、HPT値が高い子と低い子に分けた検証が行われるべきだったのでは?と思います。

 

なので、この検査はあまり公平な状況での検査とは言えないのではないか?と僕なら思います。

ただ、そもそもの数値が高い子はHPT値が1ヶ月後も高く推移しやすい傾向にあるのは確かなようです。

ビタミンKを投与したかしないに関わらず、です。

であれば、母体の数値が赤ちゃんに引き継がれるということを考慮すると、まずは母親の数値に目を向けるのが自然な気がしますが…どうなんでしょうか。

 

でも、この検証の結果のまとめは、「ビタミンK予防的投与は1ヶ月後のHPT値を引き上げるとともに、VK欠乏性出血症予防に有効であると考えられた」と結論付けて終わっています。

▼それにはこの図が関係しているかと。(これも参考ソースのリンクに出ています)

上記グラフは先ほどの検証と合わせて、どこかの医療機関で検査されていた結果も合算されたものです。

HPT値は70%以上~が成人の基準値とされていますが、上記グラフでは予防的投与群のHPT値(一番左のグラフ)が一番高くなっています。

このグラフから「予防的に投与することが効果的だ」と言っています。

 

が、最初の結果から、1ヶ月後のHPT値が40%未満だった割合が一番低かったのは予防的投与をしなかった新生児たちのはずなのに、そこに関して一切言及無しなのが腑に落ちません。

 

▼さらにもう一つのグラフ

このグラフも見にくいですが、A(黒丸のグラフ)は出生直後のみ、B(白丸のグラフ)は退院時(1週間前後)のみ、C(△のグラフ)は出生直後と退院時の2回、ビタミンKを投与した時のHPT値がどう推移するかのグラフです。

Aが一番低く、Bが真ん中、Cが一番高い数値にはなっていますが、BとCにはHPT値に10%も差が見られません。

且つ、70%を超えていれば基準値を満たすと言われていることから、もしビタミンKを予防的に投与するのであれば、退院時の1回で十分なのでは?と考えられました。

(1ヶ月後に投与したデータ・グラフはありません)

 

【ビタミンK欠乏性頭蓋内出血の新しい予防法】の結果と考察

参考ソース⇒http://www.jsog.or.jp/PDF/62/6209-293.pdf

このリンク先では、K2シロップを予防的に投与することで、新生児・乳児ビタミン K 欠乏性出血症の発症が低くなってきたと述べられています。

その中で2005年に全国調査を行ったところ、「なお少なからぬ幼若乳児が本症による出血に見舞われていることが明らかになった」と言ってグラフが掲載されていました。

▼こちら

上記は突発性乳児ビタミンK欠乏症の患者数を棒グラフにしたものです。

パッと一目見ると、【H11.1~H16.12】の時期(一番右のグラフ)は「予防投与無」の方が「予防投与有」の患者数よりも少ないという結果が出ています。

「おいおい」と思ってしまいそうですが、このグラフは患者数を表しています。

実のところは分母の数が分からないので、患者数だけでは何とも言えない結果と言えるでしょう。パーセンテージなら割合で分かりますが。

というのも、平成11年~16年頃にはそれなりにK2シロップを投与することが浸透していたはずですから。

例えばですが、「予防投薬無」の人数が1万人で10人発症と、「予約投薬有」の人数が100万人で50人発症なら、「予約投薬有」の方が割合は低い数値になるからです。

分母の数は明確には分かりませんが。

ただ一つ明確に言えるのは、「K2シロップを飲んだからと言って乳児ビタミンK欠乏症が完全に防げるわけじゃない」ということです。

参考になる点があったその他文献やリンク

その他、色々な記事を読み漁りましたが、参考になったリンクをご紹介しておきます。

ビタミンKには2種類あり、その中でも納豆菌が持つビタミンK2(メナキノン-7)の持つ高い栄養価に着目が集まっている、という事が書かれています。

また、K2シロップは合成であり、MK-4という種類のビタミンKに該当しますが、実はそれよりもMK-7の吸収率の方が良いという事に言及されています。

http://vk2mk07.blogspot.jp/2007/08/k.html

【ビタミン K 研究の新展開】

昨年2016年現在でのビタミンKに関する研究結果が書かれています。

K2シロップには該当しませんが、途中まではビタミンKのことに言及しているので参考になります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/136/8/136_16-00014/_pdf

【日本ナットウキナーゼ協会】

オランダの大学で研究された結果を載せています(情報元のオランダの情報は見つけられなかった)が、こちらもMK-4よりもMK-7の吸収率の違いが載せられています。

http://j-nattokinase.org/nattokinase/k2.html

「母乳で育児はした方が良い」と言われながら、「母乳で栄養を与えるとビタミンKが不足する恐れが出てくる」という矛盾したことに向き合ったお医者さんの話です。

こちらのリンク(記事途中にも紹介しているリンクです)の最後の文に言及している山内先生という方の話ではありますが、母乳育児における点で参考になりました。

http://www.hosp.niigata.niigata.jp/img/hospitalization/osan/opd/opd_04.pdf

まとめ

自分まとめをするつもりが、なかなかまとめきれずあまりにも膨大な量になってしまいました。

分かったことは複数ありますが、明確に言えることを列挙してみます。

  • ビタミンKが不足したから出血するのではなく、出血した時にビタミンKが不足していると血が止まりにくく重症化することがある
  • なぜ出血するのかは原因が分かっていない(肝臓や胆汁の疾患が見つかった時は合併症として発症する恐れは大いにあり得る)
  • 新生児・乳児の体内のビタミンKが不足することで、ビタミンK欠乏症出血症になる恐れがあるという説はあり得るが、K2シロップを飲んだからと言って100%防げるものではない。
  • K2シロップを予防的に出生後すぐから投与することで、0.2%程度だった発症率が0.1%に下がったという統計はあるかもしれないが、その数値だと統計学的に「たまたま」だったんじゃないかという懸念が抑えきれない。(そもそもの数値が低すぎる)
  • 頭蓋内出血を起こす原因は明確には見つかっていない。
  • 「自然に」妊娠中からビタミンKの含量をあげていけるように、食生活にビタミンKが入っている食事をするのは良い(と言ってもそれは食事制限などではない)=新生児に少しでも引き継がれていくと研究結果で出ている

こうやって見てみると、益々K2シロップが良く分からなくなってしまいそうですが…。

 

以下は僕の所感です。

医学の進歩は目覚ましいものがあります。

出来なかった手術が出来るようになって助からなかった命が助かるようになってるし、治らないと思われていた病気が治ったりしているわけですし。

でも、今回色々データとして調べてみて、予防投与をして発症した数と予防投与をせずに発症した数を比較しても、そこまでの違いを僕は感じられませんでした。

また、副作用はないと言いつつ、吐いて戻してしまう赤ちゃんが多数いることを考えると、さすがに不思議ではいられないとも思います。

 

僕は薬には二面性があると思っていて、症状を改善する部分と毒性のある部分。

毒性の緩和は肝臓で行われるみたいなのですが、赤ちゃんにはその毒性を緩和するほどの肝臓の機能をそもそも持ち合わせていないんじゃないか?って思ったりします。

だから、原因不明の副作用が出てくる?なんてことも。

でもこれは、あくまで僕個人が調べに調べ尽くした結果の考え方であり、推奨するまでには至りません。

 

医学における研究や結果がたくさんあるのは素晴らしいですが、時に人の体は人知をはるかに超えた奇跡が起こることが良くありますよね。

K2シロップにおいても新生児・乳児ビタミンK欠乏症出血症においても、もう少し違った視点からの考察が必要なんじゃないかなと思いました。

ここでそのことについても深く言及するのは控えますが。

 

K2シロップを新生児から飲ませることを推奨するわけでも、飲まないことを推奨するわけでもありません。

医療行為には、インフォームド・コンセント「正しい情報を得た(伝えられた)上での合意」がありますからね。

とは言え、ただ流されるままにやるのではなく、しっかり理解して学んだ上で行動していく必要はあると思いますが。

少しでも参考になれば幸いです。

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